厚生労働省によると、2050年には日本の人口の約4割が65歳以上であると予想されています。高齢者人口の増加に伴い、介護業界へのニーズは日々高まっています。フランチャイズを利用すれば、初心者であっても介護業界での開業が可能です。こちらでは、フランチャイズ介護を利用するにあたっての問題点やトラブル、対処法について紹介をしているので、ぜひ参考にしてみてください。
まず独自の事業展開が難しい点です。店舗によってはサービス内容に差があってはいけないので、自店舗にしかないサービスを提供したいと考えている場合は、サービス内容の自由度はどうしても低くなります。
また、フランチャイズに加盟するための別途費用が発生。経営状況に関わらず、毎月のロイヤリティ(使用料)をフランチャイズ運営会社に支払わなければなりません。ある程度利用者が集まらないと黒字にならないので、経営が安定するまでに、2~3年の時間がかかる場合もあるでしょう。
介護事業は、介護保険法にのっとって業務展開をしますが、この法律は情勢をふまえて3年毎に改正をしています。その度に、介護サービスの内容や報酬の見直しが必要です。フランチャイズの場合、運営本部から指示を待っての対応となるので、本部の対応が遅いところだと、近隣の競合事業所よりも対応が遅れてしまう可能性があります。対応が遅れた結果、変更分のサービス提供ができなくなり、それに不満を感じた利用者が離れてしまう恐れがあります。
開業後にフランチャイズ運営会社からの協力が十分に得られず、集客力がないと、思った以上の利益は得られません。しかし、ロイヤリティは利益の程度に関わらず定期的に納める必要があるため、経営が悪化した時の負担は大きくなります。契約途中で事業所を閉鎖せざるを得ない場合は、違約金を支払わなければなりません。また事業所を閉鎖した後に、フランチャイズで得た経験を活用しての介護業界で再度開業は競業避止義務条項によって禁止されています。
また他の加盟店で起こったトラブルであっても、自事業所の悪いイメージにつながることも。フランチャイズに加盟すると、事業所の名称はフランチャイズ運営会社が指定するものになります。そのため、他の加盟店での不祥事が自分の事業所でも同じように起きているイメージを持たれてしまうのです。
オーナーとして経費削減のために現場に出すぎた結果、マネジメント業務に支障が出てトラブルを招くことになるでしょう。介護の現場は、様々な専門職が関わりあって成立しているので、現場の業務は現場の職員に任せたほうがよいという意見もあります。
経営に失敗すれば、事業を撤退する必要があります。ただし、継続してサービスを利用している方がいるので、すぐに辞めるわけにはいきません。撤退を決めたら、少なくとも1カ月前には利用者や家族に対して、説明と謝罪をし、利用者様を担当しているケアマネジャーにも新しい事業所を探すように依頼。その後は借りている事業所を元の状態に戻す必要があります。また法人破産の扱いになるので、弁護士に入ってもらい手続きを進めましょう。
まずは信頼できる介護フランチャイズを見つけることです。本部のサポートが丁寧であれば、集客の協力だけでなく、全国の加盟店から集められた経営のノウハウを日々の業務に活用できます。他加盟店と横のつながりを作れるのも大きなメリットです。
フランチャイズでは質の良いサービスの提供が必要。そのためのマニュアル整備や職員向けの研修も運営会社が準備をしているものです。定期的にある介護保険の改正に合わせた対応も、本部で集約して発信されます。変化し続ける介護の勉強を独学だけでするのは、大変な時間と労力がかかります。介護フランチャイズに加盟することで、情報も提供してもらえるので業務負担の軽減にもつながるでしょう。
高齢者人口の増加と共に、介護ビジネスの需要も拡大しています。フランチャイズであれば、介護を知らない初心者であっても、専門家のサポートを受けての開業が可能です。ただし、信頼のおけないフランチャイズ運営会社で開業をすると、思わぬトラブルや問題が発生するかもしれません。
信頼のおける運営会社と契約し、蓄積されたノウハウを活かした経営をすすめることで、より良い介護サービスの展開を目指せるでしょう。
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