デイサービス開業の基礎知識

デイサービスを開業するためには、法人格の取得と許認可の申請手続きが必要。事業計画書の作成や資金調達も重要です。許認可制度の種類や要件、申請と審査の流れ、営業開始までの期間や法的な要件も確認することが必要。施設の設置基準や衛生管理、介護保険法に基づいた要件などを遵守することが求められます。

設立手続きについて

デイサービスを開業するためには、まずは法人格を取得する必要があります。具体的には、個人事業主として開業する場合には「個人事業主届出書」を提出し、法人として開業する場合には「会社設立登記申請書」を提出する必要があります。

その後、開業に必要な許認可を取得するための申請手続きを行う必要があります。具体的には、保健所からの「許可」や福祉事務所からの「届出」を受ける必要があります。また、設立時には役所などに各種申請を行う必要があります。手続きに関しては、地域や都道府県によって異なるため、あらかじめ確認が必要です。

事業計画書の作成方法

デイサービスを開業するためには、まず事業計画書の作成が必要です。事業計画書は、ビジネスプランや経営計画書とも呼ばれ、開業時には必ず提出しなければならない書類の一つです。

事業計画書には、デイサービスの事業内容やサービスの内容、市場調査や競合分析、経営方針や経営戦略、財務計画や収支予算、人事方針や採用計画、リスクマネジメントなどが含まれます。事業計画書は、開業にあたってのビジョンや方向性を示す大切な書類であるため、詳細かつ具体的に作成することが求められます。

なお、事業計画書の作成には、専門的な知識やスキルが必要となる場合があります。自分で作成するのが難しい場合には、コンサルタントなどの専門家に相談することをおすすめします。

資金調達の方法とポイント

デイサービスを開業するためには、多額の資金が必要となります。資金調達の方法としては、自己資金、銀行融資、助成金・補助金の活用などがあります。

まずは自己資金の活用が望ましいとされています。自己資金が不足している場合には、銀行融資を利用することが一般的です。その場合には、事業計画書や財務諸表などを提出し、返済計画や担保などについて説明する必要があります。ただし、銀行融資には利息や手数料がかかるため、返済能力を確認してから利用することが重要です。

また、助成金・補助金を活用することもできます。国や自治体、地方銀行などから、デイサービスを開業するための助成金・補助金が提供されている場合があります。これらを活用することで、資金調達の負担を軽減することができます。ただし、申請には一定の条件があり、手続きが煩雑であることが多いため、事前に確認しておくことが重要です。

申請書類の準備と提出方法

デイサービスを開業するためには、様々な申請書類を準備し、各種機関へ提出する必要があります。主な申請書類としては、保健所からの許可申請書、福祉事務所からの届出書、消防署からの設備・施設検査申請書、各種保険の申請書、税務署からの届出書、国保連合会からの届出書、雇用保険・労災保険の申請書などがあります。これらの書類は、地域や都道府県によって異なるため、事前に確認することが重要です。

また、提出方法については、各種申請書類によって異なります。保健所や福祉事務所などに直接提出する場合もあれば、郵送やインターネットを利用する場合もあります。提出期限も設定されているため、必ず期限内に提出するようにしましょう。提出後は、審査や検査が行われ、許可や届出の取得ができるかどうかが判断されます。

許認可について

デイサービス開業に必要な許認可制度について概要を説明します。

デイサービスを開業するためには、保健所からの許可や福祉事務所からの届出が必要です。これらの許認可は、デイサービスが法令に基づいて適切なサービスを提供していることを確認するものであり、法律によって義務付けられています。許認可を受けることで、デイサービスは正式に開業できるようになります。

許認可制度の概要と種類

デイサービス開業に必要な許認可制度の種類や要件について解説します。

デイサービスの許認可には、保健所による許可や福祉事務所による届出などがあります。保健所からの許可には、事業所設置基準や衛生管理などの要件があります。福祉事務所からの届出には、事業計画書や介護サービス計画書の提出が必要です。

認可の申請と審査の流れ

デイサービス開業に必要な認可の申請と審査の流れについて説明します。

認可の申請には、保健所に対して行う場合と福祉事務所に対して行う場合があります。申請には、事業計画書や財務諸表などの書類が必要であり、申請書類の内容や適合性について審査が行われます。審査には、通常数か月から半年程度の時間がかかるため、事前に余裕を持って申請するようにしましょう。

営業開始までの期間と注意点

デイサービスを開業するまでに必要な期間や注意点について説明します。

デイサービスを開業するまでには、許認可の申請や各種検査、資金調達など多くの手続きが必要となります。申請や審査には時間がかかるため、事前に余裕を持って計画することが重要です。また営業開始までには、施設の準備や設備の整備、スタッフの採用や研修など、さまざまな準備が必要です。これらの準備を十分に行ってから営業を開始するようにしましょう。

また、デイサービスを開業するにあたっては、法的な規制や要件を遵守する必要があります。具体的には、建築基準法に基づいた施設の設置基準や衛生管理、介護保険法に基づいた介護サービスの提供要件などがあります。これらの法的な要件については、開業前に十分に調べて理解し、遵守するようにしましょう。

設置基準や届出制度について

デイサービスの設置基準や届出制度について説明します。

デイサービスを開業するにあたっては、建築基準法に基づく設置基準を満たす必要があります。設置基準には、建物の面積や部屋の広さ、トイレやバリアフリーなどの設備、防災対策などが含まれます。また、開業前に福祉事務所へ届け出を行う必要があります。

建築基準法や衛生管理などの法的要件

デイサービス開業に関する建築基準法や衛生管理などの法的要件について説明します。

デイサービスを開業する場合、建築基準法に基づいた施設の設置基準や、衛生管理に関する法的な要件を遵守する必要があります。具体的には、施設内の清掃や消毒、備蓄品の管理などが挙げられます。また、介護サービスの提供に関しては、介護保険法に基づいた要件を遵守する必要があります。これらの法的な要件については、事前に十分に調べて、遵守するようにしましょう。

「アントレ」「フランチャイズ加盟.net」「フランチャイズの窓口」「マイナビ独立」の4サイトに掲載されている介護・福祉系フランチャイズをすべて調査(2021年9月時点)。
4サイトでの掲載数が多い業種=特に盛り上がっている業種であると定義し、掲載数の多い3つの業種をピックアップしました。

※3業種それぞれの掲載数は次の通りです。訪問マッサージ:9件、デイサービス:7件、放課後等デイサービス:7件(いずれも2021年9月時点)
デイサービス
デイサービス
メリット
  • 利用者数 約220万人という
    市場の大きさ(2019年時点)
  • ここ10年で利用者は約1.4倍に
  • 高齢者増加により、
    まだまだ市場は
    成長する
こんな方に
オススメ
  • 長期間、堅実に利益を
    出し続けたい方

デイサービスの
市場について
詳しく見る

放課後等デイサービス
放課後等
デイサービス
メリット
  • 2012年に始まった市場
    のため競合数が比較的少ない
  • ここ5年で利用者は約2.6倍に
  • 障がいのある子どもを支える
    社会的意義の高さ
こんな方に
オススメ
  • 子どもの自立支援といった、
    社会貢献を重視する方

放課後等デイサービスの
市場について詳しく見る

訪問マッサージ
訪問マッサージ
メリット
  • 一人でも開業できるため
    初期投資を抑制できる
  • 伸びている高齢者市場で
    低リスクに開業できる
  • 立地に左右されづらい
こんな方に
オススメ
  • 初期投資を抑えながら、
    低リスクに開業したい方

訪問マッサージの
市場に
ついて詳しく見る

参照元:厚生労働省_介護分野をめぐる状況について【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000608284.pdf)
参照元:厚生労働省_放課後等デイサービスに係る報酬・基準について≪論点等≫【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000678627.pdf)