コロナ禍で経営が厳しい企業の中には、新たな一手として“業態変換”をするケースが増えています。 そこでここでは、業態転換の際に利用できる政府の補助金制度や介護・福祉系に業態転換する際に押さえておきたいポイント、移行しやすい業態についてまとめました。
事業再構築補助金とは、事業の継続が難しくなった中小・中堅企業が、新たな売り上げ基盤を構築に向けた事業展開を補助する制度。 コロナ禍で厳しい状況下にある企業を支援し、日本経済の構造転換を促進する目的で経済産業省が実施しています。
申請するための要件は、以下の3点。
「経営が苦しいから助けてほしい」というだけでは承認がおりません。再構築するための説得力ある事業計画が必要で、そのために金融機関も含む各種認定支援機関に相談・アドバイスを受けます。
補助金額は100万円~8,000万円と、規模によって変わります。上限額は以下の通り。
会社の規模 | 補助上限額 |
---|---|
20人以下 | 4,000万円 |
21~50人 | ~6,000万円 |
51人以上 | 8,000万円 |
※補助率は中小企業は2/3、中堅企業が1/2です。
本事業の対象として明確に区分できるもので、具体例として建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費、広告宣伝費・販売促進費、研修費があります。 人件費やフランチャイズ加盟料は補助対象外です。
介護・福祉系は、従業員の労働力による業務の割合が高い「労働集約型ビジネス」に分類されます。 同じように売上高に対する人件費の比率が高い事業の方がオススメそのまま人員をシフトできるほか、従業員マネジメントの経験を活かせるため、業態転換がしやすいです。 その他にも、介護・福祉系の業務と共通項があると、これまで培ってきた事業のノウハウを活用でき、シナジー効果を生みやすくなります。
コロナ禍で低迷が続く飲食業界。中でも居酒屋は大きなダメージを受けています。 このような状況を受け、デリバリーやテイクアウトなど営業スタイルを変える店舗も増加しました。 声までの接客や従業員マネジメントのノウハウを活かし、同じく労働集約型ビジネスである介護・福祉業界へ業態転換をするケースもあるようです。
就業人口が減少傾向にある建設業界。リフォームや力仕事の経験を活かすため、建築・建設会社が介護・福祉ビジネスを行うケースは少なくありません。 業態転換の際には、本部が運営ノウハウを提供してくれるフランチャイズがオススメです。
コロナ禍の影響で家での生活が増えたこともあり、アパレル業界も大きな被害を受けました。 近い距離でお客様とコミュニケーションをとってきた経験や、従業員を管理してきたノウハウを活かせる業種の一つとして、介護・福祉系へ業態転換する企業も多くいます。 フランチャイズで本部のサポートがあれば、介護・福祉系に経験がなくても難しくありません。
競争の激化や人的コストの増加で勢いが衰えているコンビニ業界。 今後、機械化の影響も受けやすいコンビニから、介護系の事業へ転換したというモデルケースも。業態転換の際はフランチャイズがおすすめです。
フリマアプリやネットオークションの普及により、苦境に立たされている買取ビジネス。 一見、介護・福祉事業とは無関係のようですが、実は共通点があるのです。
個別指導塾やオンライン学習塾の台頭で、今後が心配される学習塾業界。 人と人とのコミュニケーションの点で介護・福祉系とは大きなシナジーがあります。子供と接してきたノウハウを活かし。放課後等デイサービスや児童発達支援などへの業態転換がねらい目です。
TYPES
「アントレ」「フランチャイズ加盟.net」「フランチャイズの窓口」「マイナビ独立」の4サイトに掲載されている介護・福祉系フランチャイズをすべて調査(2021年9月時点)。
4サイトでの掲載数が多い業種=特に盛り上がっている業種であると定義し、掲載数の多い3つの業種をピックアップしました。